仮説

-字形感覚の原理-

      押木秀樹


というのは、こういうことですか? 右の図を見ながら考えてみましょう。

 まず最初に、複数横画がある字は横画の長さをそろえた方が整えやすい。でも、それだとカッコ悪いから、一本だけ長い画を作っておく。これが一画強調だと説明しています。(「横画の長さの整え方-楽な整え方と一画強調-」参照)

 しかし、この書き方で「春」とか「青」という字を書くと、「日」や「月」の部分が大きくてカッコ悪く見えます。それはなぜかと言うことですね!!

 実は私もよくわかりません。

 でも、ちょっと仮説的なものはあります。他の項で、扁と旁、左右の部分形からなる文字の整え方を説明しています。横画が上端もしくは下端にくる部分形は、その上もしくは下をあけるということです。またそのことについて、心理的ポテンシャル場という考え方が、一致するとも。(参照:「扁と旁の大きさと位置」 「左右の部分形からなる漢字の字形に関する研究」

 もし、この考え方が使えるとしたら、どうでしょうか? それでは次の図を見て下さい



 おそらく、上の「春」「青」に、例のポテンシャル場を発生させたら右の図のようになることでしょう。

 幅をそろえた場合には、ポテンシャルの等高線が下膨れの形になってしまいますし、下の字のように少し狭く書いた場合には、この等高線が上下一致します。

 どうでしょう? 左右からなる場合のみでなく、上下からなる字などにもこの計算方法は当てはまるのではないでしょうか!!

 右の図は、あくまで手で適当に書いた模式図です。「本物を見せろ」って言われても、まだ実験していないんですね。。誰かうちの学生でも卒論等で取り上げてくれると良いのですが、、。もちろん、他の大学の方でも結構です。ネタの出し惜しみはしない方ですから!!

(1997.06.05 草稿)




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