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主な研究内容

 授業以外の指導について、補足をしておきたい。
 我々のような研究室の場合、すなわち教育学部の国語教育に属する書写書道の研究室では、高校書道免許を出す大学とそうでない大学とで大きく異なる。前者は、各種実技のほか、書道史・書論などの授業科目があるが、本学のように書道免許を出さない大学の場合、
   書写教育
     基礎としての楷書・行書を中心とした実技
     基礎としての手書き文字研究

     書写教育自体 が中心となる。  専任教官は、これらの多くを担当することとなるが、その専門はこのうちの一つもしくは、二つということになる。

 本研究室の専任教官である押木の場合、第一の専門は、手書き文字研究であり、第ニの専門は、実技とくに篆書・隷書・楷書などの漢字作品の制作である。

 ゼミの学生らのうち、学部学生は上記の理論からいずれを選んでもよいことにしている。また大学院生(修士のみ)については、進学時に伝統的な書の研究などを志す場合には、他の専門教官のいる大学院の紹介もしている。もちろん、他大学から本学大学院を希望し、進学してくる者もいる。他大学からの進学希望者についても、出来る限り広く受け入れたいと考えている。


押木の専門

 押木の専門について、簡単に記しておく。

 手書き文字は、筆跡鑑定・文字認識・書写教育などの分野で研究がなされているが、基礎的方法は共通部分を持つと考えられる。共通部分および書写教育のための手書き文字研究の方法に関する考察が現在の研究の中心である。個々の研究結果をいかに客観化するかも課題としている。

 また、手書き文字研究のうち、字形などを中心に、コンピューターを用いた分析の方法についても研究を継続している。たとえば、書写教育研究のための評価を目的とした評価システムの研究などがそれにあたる。
 書作品として、漢字とくに楷書・篆書・隷書を中心とした制作活動を行っている。

 なお、手書き文字研究の方法論に関するものとして、以下があります。この分野の研究をしようと思っている他大学の同専攻の学生・大学院生の方に読んでいただくと、ほんの少し、役に立つ部分があるかも知れません。

  1. 「手書き文字研究の基礎に関する諸考察」 ,『書写書道教育研究』第7号, p.105,(1993)
  2. 「手書き文字研究の基礎としての研究の視点と研究構造の例」 ,『書写書道教育研究』11号(1997.3)
  3. 「汎用性と合理性という視点からみた書写教育の基礎についての試論」 ,『書写書道教育研究』第14号(1999.3)

 1は、用語の定義や研究対象として扱うものと、その扱い方について書いています。2は、分析結果などから原因や理由を考えていく際の視点などについて考えています。3は、それらを 書写教育に生かすために最低限必要な考え方・記述方法などについて述べています。



さらに詳しい内容につきましては、E-Mail:oshiki@juen.ac.jpまで、
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