次に、期待される効果ですが、黒板やOHPでやってきたことなどの例は、この1番の授業準備の簡便性と有効な提示にあたります。一方、学習の個別化という点では、これまでの方法では限界があり、CAIにより大きく発展する可能性がある部分です。
前のシートの「授業準備の簡便性」という点では、簡単になる場合とそうでない場合があるかと思います。と申しますのは、その授業・学習活動のために作られたソフトウェアならば、使いこなしも簡単でしょうが、汎用のソフトウェアを用いる場合は、ある程度の知識と慣れが必要となります。
さらに「補助的な利用」と「コース化されたソフトウェアによる自律的な学習」への方向性が考えられます。もちろん、一切教師が関わらないと言うことではなく、児童生徒が個々の課題を見いだし、それにあった学習活動を展開していく必要がある場合などに、課題を見いだす補助をし、それにあった学習材を提示していくなどの用途も大切だと思われます。
コンピュータを使うこと自体の興味・関心、目新しさという点は、今しばらく有効であろうと思われます。
次の「提示方法の多様化」については、先にお話しした、黒板・OHP・ビデオなどそれぞれに示していたものをマルチメディア的機能で、コンピュータという装置一つで示しうるようになったと考えれば良いかと思います。
次に「学習者の作業補助」としては、たとえば、左右からなる部分の組立の学習において、左右の部分形を厚紙で作り、児童らが組み合わせてみるといった学習はこれまでもおこなわれてきました。コンピュータであれば、部分形の作成や再使用も比較的簡単なはずです。
また先に述べたとおり、個々の児童生徒に、どの課題を選ばせるかといった場合、コンピュータが個々の児童の文字を評価し課題を見いだす補助をしてくれたら便利です。この延長として、「自律的学習手段」というメリットがでてきます。
インターネットの普及により、「学習活動物の展示方法の多様化」が可能となっています。学外、場合によっては海外からも見てもらうことが容易になりました。学校の枠を越えたコミュニケーションや国際化への対応など、授業の広がりが考えられると思います。
そして、一般の教師としてのメリットで最も大きい点が、「教材の有効利用」かと思います。パソコン上の教材・ソフトウェアで、著作権等の問題がなければ、コピーして利用することもできるわけでして、一箇所にプールしておき必要なときにインターネットからダウンロードして使用することも考えられます。