補足3:ハードなブラックお姉さんの証し?(朝日新聞):大切なことは Date: 2023-10-11 (Wed) 
 以下の記事の補足、その3回目です。

  朝日新聞, ハードなブラックお姉さんの証し?(学校の「アレ」は今シリーズ)
  2023.09.19(火)

補足2の最後に、以下のように書きました。

   今の子供たちについて筆圧が低下しているように感じられるというのは、(中略)
  筆圧調整能力が高まっている可能性があると考えられるわけです。
   では、なぜ薄い字になってしまうのかということについては、別途書かせて
  いただきたく思います。 

新聞記事では、私の以下のコメントを用いて下さっています。新聞記者の方(谷さん)が適切な用い方をして下さっていると思います。

  「長く普いても疲れないとされる2Bが推奨されやすいのではないか。大切なのは、
  相手が読みやすいよう適切な濃さで書くこと。それを理解した上で、自分に
  あった硬さを選ぶこともよいでしょう」

 文字を手書きする仕事をしている方は筆圧が低めである、という研究結果があるとも前回書きました。それが、「長く普いても疲れないとされる」の部分と関わってきます。疲れず、書きやすい、楽にかけるということの重要性です。

 一方、なぜ薄くなるのかということと関わるのは、「相手が読みやすいよう適切な濃さで書く」の方です。大切なのは、「読みやすい」ですね。「読みやすい」「読みやすさ」が意外に意識されていないように感じます。文字に関わる仕事をされている方でも、きれい・汚い、美しい・みにくい、丁寧・雑とか、整っている・いないといったあたりまでは聞かれるのですが、言語の機能として「読みやすい」かどうか、「読みますさ」という視点がなかなか定着していないように思います。

 さて小学生について考えみると、小学生に対して、

   読みやすい字って、どんな字?

などと問い変えるような授業を、して下さっているでしょうか? そのことを考える一つの点として、

   どのくらいの濃さだと、相手の人が読みやすいかな?

と考える機会を持って下さっているでしょうか。どのくらいの濃さで書けば良いのかということが意識化されていないとすれば、せっかくの筆圧調整機能(補足2参照)も生かせないということになってしまします。

 話すこと・聞くこと、そのコミュニケーションを円滑におこなうため、声の大きさの意識化などは、小学校低学年でもなされていることと思います。書くことの一部である、手書きすることにおいても、より良いコミュニケーションのために(読む相手は自身であっても)、適切な濃さや適切な文字の大きさなどを考えることが重要だと思うのです。
 
 「相手が読みやすいよう適切な濃さで書くこと。それを理解した上で、」というのが、そこにあたります。

   ・読みやすい濃さ
   ・書きやすく書けること

の2点から、

   ・自分にあった濃さの鉛筆

を選ぶというのが結論になっているわけです。なお、書こうとする文字の大きさと、線の太さを意識すると、筆記具の選択に関わってくるかと思います。また利き手によって、筆記具を選ぶと良いということも考えられます。このあたりは、次の機会に書かせていただこうと思います。

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