教室におけるノートと手書きおよび情報機器 Date: 2021-09-28 (Tue) 
 ある方と、GIGAスクール構想についてのやりとりをしたのですが、私が書いた部分を修正してここに載せておきたいと思います。これまでこのコラムに書いてきたことが多いですが、その方とのやりとりという刺激があって書いた部分もあります。ただ、双方の利益になることかと思いますので、いただいた情報には触れないよう配慮しつつ、掲載させていただきます。

 教室におけるノートについては、思考のためのノート、記憶の補助としてのノート、気付きを書き留める場面など様々かとは思います。ただ学習活動において、思考することや話し合うことなどを重視するという意味では、「ノートのためのノート」は本来不要であり、ICT機器の普及でそのことが明確になると、減っていく可能性はあると思います。(活動への集中のためのノートというのも実はあるように思います。それはノートのためのノートに近いかも知れませんが、別に考えたいと思う立場です。)
 
 意味のあるノートについては、今後も継続していくことが本来の姿のように思います。紙のノートブックと筆記具がICT機器に取って代わられる中で、ノートすることが自体が減る場合、その原因として、本質的な必要性の減少であればよいのですが、ICT機器が紙のノートブックや筆記具に対してハードウェア的に劣っていることが原因で減少するのは避ける必要があると思います。私自身、surfaceを用いてこれまで紙に書いてきたことを代替できないか試してみていますが、「便利」になってきていますが、「質やそれを体感する部分」を主として紙と筆記具にはかなわない部分も多いと思っています。ハードウェア的に気持ちよく書けるところまで行ってから、改めて状況を見つめたいと思います。もっと進歩してくれることを願います。
 
 ただどこまで行っても、そこに「あるもの」としての紙とそこに定着するインク等であることと、光の強弱であるディスプレイとでは違いが残ります。その意味でも、紙と筆記具は残るといいましょうか、私たちの使命として残さないといけないのだろうと思っています。

 私自身の状況として、対面の会議が減って、オンラインの会議が増えています。これまで紙で配付されていた資料が、PDFで送られて(ダウンロードするように指示されて)きます。これまで、付け加えて残しておくべきメモなどを紙に書き込んでいました。現在は、デスクトップパソコンでオンライン会議の画面を見ながら、surfaceでPDFを表示して、メモを書き込んだり、重要箇所をマーキングしたりしています。この機能については、かなり完成度が高いところまできているように思っています。ただし、使いやすいソフトウェアが必要であり、その体験の有無で便利さが違ってくるかも知れないと思っています。(surfaceとipadを使っている学生に、この機能について話をした際に、あんまりそういう使い方をしていないということだったため、私が今使用しているソフトウェアを紹介したところ、すぐに使っていました。)

 デジタル教科書や、ワークシートなどに直接書き込むということについては、技術的に可能だと思いますし、便利で直感的だと思います。ただ、そのためにはやはりペンが必要だと思うのです。


[前頁]  [次頁]

 トップ  検索  (管理用)

- Column HTML -