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手書きとインターフェイス・コミュニケーション |
Date: 2021-06-25 (Fri) |
授業などで、手書きと情報機器との話をする際、インターフェイスとコミュニケーションとを整理して考えてはどうかという話をしています。
コンピュータやスマートフォンなどとのマンマシンインターフェースを考えた時、人は機器に合わせてキーボードやマウスなどを使うようにしてきたといって良いかと思います。もともと情報機器が優秀であれば、普通に話しかけたり、手書きしたメモを渡しても良かったはずです。しかしハードウェアの制約から、私たち人間が機械にあわせてやってきました。今、手書き入力も音声入力も実用化され、ようやく「情報機器優先」から「人優先」が可能になってきた段階かも知れません。そのことも、しっかり意識して置くべきだろうと思います。ただ、インターフェースということだけを考えれば、キーボード入力や、フリック入力の方が早かったりするので、「人」にとっても便利な方法なのかも知れません。
一方、コミュニケーションとして考えたとき、人は音声によるテクストに加え、声の調子や表情、身振りなど、言語・パラ言語など豊かな情報のやりとりをして来ました。手書きによる手紙なども同様に考えることができると思います。現状では、情報機器を用いたコミュニケーションにおいて、skypeやzoomといったオンラインでミーティングのツールによって表情や声の調子を伝え合うことが普通にできるようになったものの、文字言語によるコミュニケーションは、貧しいままです。
文字言語によるコミュニケーションは、このまま、貧しいままで続くということでしょうか。やりとりされる情報の減少という意味では、退化といってもよいかも知れません。音声言語にしても、文字言語にしても、一度獲得した豊かなコミュニケーションは維持すべきではないかと思います。
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