漢字の最終縦画(小2版) Date: 2005-05-24 (Tue) 
〜科引用姉市半午計新帰今近 の縦画等について〜

 払う(抜く)のか、止めるのか、、という点について、

  最終縦画は、止めるべきか払うべきか?
   〜「耳 車 十 千 川 早 草 中 年」の縦画の指導〜
   2003.12.06
 http://www.shosha.kokugo.juen.ac.jp/oshiki/graphono/2003_TomeHaraiOfLastTatekaku/

を書いています。上記は、小学校1年生の漢字について述べていますが、小学校2年生の漢字についてのご質問をいただきました。
 私の基本的な考え方としては、上記のページに書いたとおりです。要点としては、

  * 社会的な、また学校教育における基準・規準
    →問題にならない部分であると解釈したい
  * 誤読・誤認識の可能性
    →誤読の可能性は低い
  * 書きやすさ・覚えやすさ・美醜等の問題
  * 歴史的経緯
    → 縦書きの場合
       ・きちっと見せたい時:止め
       ・速く書きたい時  :払い
      横書きの場合
       ・(いずれにしても) 止め

になります。この要点だけみると、誤解をまねく部分もありそうですので、ぜひ上記のページをご覧いただきたく思います。

 なお、上記のページでも問題提起をさせていただきましたが、実は今回いただいたメールでも問題が指摘されていました。その部分を引用させていただきます。ご質問を下さった先生が利用されている漢字練習帳では、この箇所について以下の記述があったそうです。

> 『止める気持ちで書く』 という漢字には、小2では次のようなものがありました。
>
>  科 引 用 姉 市 半 午 計 
>
> 『止める』漢字
>
>  新 帰 今 近

これらのうち、
   近
は、最終画ではありませんので、理論的にいえば「止める」が選択されて良いように思います。しかし、それ以外の書き分けの理由が見あたらないのです。考察不足かも知れません。。
 もしかすると、基準として用いられている学年別漢字配当表からの判断かも知れませんので、念のため該当部分を以下に載せてみます。クリックしてご覧下さい。

 学年別漢字配当表は、従来から変わりませんが、教科書体フォントについては、矛盾をなくし理論的に整理する試みがおこなわれていることも、併記しておきたいと思います。たとえば、これをご覧下さい。
  http://ten.tokyo-shoseki.co.jp/information/200406/17tokuho/tokuho02.pdf
「字形の統一に配慮した漢字のデザイン」というところがそれに該当します。私もこの仕事にわずかに関わっていますが、すべてをチェックしたわけではありませんので、該当箇所がどうなっているかわかりません。なお、これを宣伝する意図はありません。このような学習しやすい適切なフォントの登場を期待したいと思います。


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