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筆順の再現について |
Date: 2005-05-18 (Wed) |
書かれたものをみて、筆順を再現することについての質問をもらいました。
これは、かなりマニアックな話です。
まず、
倉内「筆跡鑑定と筆順・筆圧について」/大澤『文字の科学』所収
吉田『文書鑑定の基礎と実際』
を見てみましたが、筆順についてはかなり記述があるものの、筆順を再現する方法についての記述はありませんでした。
とりあえず、考えてみます。
「はね」、筆記具の上下動の遅延等に伴う痕跡から筆順を推測できるだろうというのは、一般に考えられます。
また、浸透性の良い紙(和紙・中国紙)に、墨で書いた場合も、交差部分から筆順を推測できることがあります。(インクの場合は実験したこと、読んだことがありません。墨だけの現象なのかどうか試してみる価値はありそうですね。)また、これと類似する点として、粘土等に書かれたもので、交差する部分については推測できる可能性もありそうです。いずれにしても交差部分だけの問題になります。
また先の倉内の文章中に、筆順が異なることで、筆圧が異なる可能性があるということが書かれています。確かに、実験してみれば、筆順によって、筆圧の変化にパターンができるかも知れません。線の太さや、濃さから推測するための実験もおもしろそうです。
筆順の「再現」について、コンピュータやX線等を使った研究は、思いつきませんが、筆圧のパターンを知るため、またインクにより交差の先後を知るために、こういった機器は頼りになるかも知れません。これらについては、筆跡鑑定系の論文を良く読んでみたいように思います。
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