文字文化のとらえ方ー東アジアにおける文字文化の教育を聞いてきましたー Date: 2026-04-08 (Wed) 
 2026年3月28日(土)、東京学芸大学の国際書フォーラムのうち、「東アジアにおける文字文化の教育」を聞いてきました。11月の全日本書写書道教育研究会の大会(千葉)でもパネラーとして話をさせていただきましたが、出力するだけではなく新しい刺激も必要だと考えてのことです。詳しいことは、学芸書道出版会から冊子がでていますので、そちらに譲ります。また古賀弘幸先生の講演もうかがってきました。

 文字文化のとらえ方としては、

  ・文字そのものの文化

  ・文字を書くことについての文化

とがあることが、中学校学習指導要領(平成29年告示)解説【国語編】にも記されている。前者は、文字の成り立ち、書体や字形の形成や歴史的背景などであり、社会における文字の用いられ方、用具・用材の発達などが後者であるとされている。

 文字文化を、過去から現在に(ある意味では未来に)位置づけたとき、文字そのものの文化である書体や字形の形成といったことは、わかりやすく残りやすい内容といえるだろう。文字を書くことについての文化としては、用具や用材の変化などは、わかりやすいといえるだろう。書体、正書体としての篆書・隷書・楷書、通行書体としての草書や行書を、下の図の中に位置づけることは容易である。また毛筆・硬筆そして情報機器であるとか、石版や木版の印刷、写植、デジタルフォントなどもわかりやすいだろう。

 一方で、書字動作であるとか、パラ言語的機能なども文字文化であるということは、先般わたしが述べたことであるが、それらは比較的わかりにくい。古賀氏の話にあったハビトゥスなどもそうかも知れない。様式的なという言い方では説明しにくいだろうか。以前発表した(注)、「書字におけるコード」や「伝達のモード」などもそのたぐいかも知れない。
 また「書き初め」という行事も、文字文化の一つと言える。現代の「書き初め」をイメージするとわかりやすいように思えるが、その背景や歴史的な経緯となると、実はあまりわかっていないようにも思われる。

 児童・生徒の学習の場面では、わかりやすい学習内容が必要であるが、研究レベルではわかりにくい部分についても、きちんと研究して明らかなものとして位置づけておくことが必要だと感じている。

            過去
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未知・わかりにくい───現在───→ 既知・わかりやすい
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            未来


(注)清水・押木(2009), 書字における機能とその意識化による国語科書写指導−書字目的や文化的・社会的コードを中心として−,書写書道教育研究 第23号, pp.69-79

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