タブレットPC等への手書きと筆圧について Date: 2024-03-12 (Tue) 
 来週、ちょっとタブレットPCに関わる件があって、いろいろ考えてみています。

 いずれにしても、タブレットPC等の使用により、手書きに関する状況も変わっていく可能性はあると思っています。昨年2023年9月の書写書道教育学会における中川先生のご講演とその後のディスカッションでも述べさせていただきました。変わらないでほしいことと、変わっていくことが望ましいことの両方があるかも知れません。
 
 これまで、どこかで別々に書いたように思いますが、個人的に気になっている2つのことについて書いておきたいと思います。

 1つ目は、タブレットPCにおける書き味に問題はないかということであり、そのことは、タブレット側がこれまでの紙と筆記具の感覚に近づくよう研究開発してもらう方向性と言えるかと思いますし、実際に進められています。
 
 2つ目は、タブレットPCにおける筆圧を、何のためにどう使うかということです。現在の手書き字形の成立過程の多くは、毛筆でした。その際(大まかにいって)、筆圧は線の太細の変化に用いられてきたといって良いだろうと考えています。これは万年筆やフェルトペンでも、ある程度近い可能性があります。
 一方、鉛筆やそれ系の筆記具の場合、筆圧は、太細にも関わりますが、線の濃淡の変化に用いられてきたといって良いのではないかと思います。

 筆記具にしても、スタイラスペンにしても、筆圧をどういった表現に関わるものと考えるかは、大きいだろうと思っています。

 あと、どうも一般に、筆圧の強い弱いに目が向きがちですし、これは測定しても結果を出しやすいので、主張しやすいのではないかと思います。しかし、個人的には、単なる強い弱いではなく、そのコントロール能力がどの程度あるかという方が、発達や技能の向上からすると重要ではないかと思っています。


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