持ち方に起因する諸問題についての考察を、Webに載せてきました。それをご覧になったメーカの方や一般の方から、筆記具を紹介していただいています。このページでは、ご紹介いただいた筆記具について載せさせていただき、またそれぞれについてコメントを付したいと思います。
なお、本稿の掲載直後に「おふざけなのか?」というご意見をいただきました。製品は変わっているかも知れませんし、効果があるかどうかに確証は持てませんが、まじめにその機能について書いたつもりです。
なお、これまでにWebに載せたものとしては、
がまとめ的なものです。また、問題がある場合の改善点として、紹介いただいた筆記具は、以下の2点です。1点は、日本ではまだ手に入らないとのことで、現物を送っていただきました。感謝いたします。
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まずこちらですが、左はパッケージと上から見たところ、中は下から見たところで、右のように指にさして使うようです。
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機能として考えてみたとき、
理屈としては上記のように考えられるものの、私個人が使ってみた感想としては、かなり違和感があるのも事実です。
その理由は、私個人の問題なのか、デザインの改善で解決するものなのか、個別に設計しないと違和感が解決できないのか、根本的な発想の問題なのかは、わかりません。
そのあたりを承知された上で、試してみられると良いかと思います。
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次にこちらの場合は、まだ日本では販売されていないそうで、以下のWebにて確認することができます。
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まず、これを私自身の本来の持ち方で使ってみた際に、有り難みがありません。
ところが、左の写真は、意図的に持ち方を変えて撮影したものですが、こうすると機能が見えてきます。下の小さい画像(クリックすれば拡大)を見ていただくとわかるのですが、筆記具の後端部が親指に接するような持ち方の場合、角度を維持するために、人さし指と親指とに非常に力が入ってしまい、疲れやすいという意見が聞かれます。また親指の力の入れ方によっては、通常の姿勢で筆記具の先端部が見えにくいという問題も、発生すると考えられます。
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で、もう一度、大きい画像を見ていただきたいのですが、筆記具の後端部の接する位置が親指の付け根付近であっても、筆記具の先端部は、適切な角度を維持しています。「親指の付け根型の持ち方で、手が疲れやすいという人が、そのままの持ち方で楽になる可能性がある」ということが、この筆記具の機能性として説明できると思います。もちろん、個々人によって違和感の方が大きいこともあり得ると思います。また、このタイプの持ち方の人に試してみてもらったわけではありませんので、あくまで理論的に考えられる範囲の話であることをご承知おきください。
この問題については、前述の論文で紹介したとおり、英国の書字教育の研究者も指摘しています。もしかするとこの筆記具の発想は、世界的に通用する可能性もあるということになるかも知れません。
この筆記具の場合、ここで示した2種は、鉛筆系ではありますが、シャープペンシルではありません。(Webを見ると、ボールペンのものもあるようです。)鉛筆の芯状のものを付け替えて使用するタイプです。やはり、上部にのばせないのが残念なところです。
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ならばいっそのこと、通常の筆記具に、上記の筆記具と同じ角度の補助棒を入れてしまえば良いという発想もできます。そう、コントロールが重要な筆記具の持ち方は、「箸の上部の1本」と考えれば、当然のことなのです。見た目のグロテスクさが難点ですが、角度の調整機能をもたせたら、案外違和感のないものになるかも知れません。位置の調整機能があれば、発達に応じることもできるかも知れません。
この点については、半分冗談ともいえますが、半分は理論上、本気です。
もし興味があれば、紹介した2点を試してみてください。違和感の有無やその機能については、保証の限りではありませんので、ご承知おきください。