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らしきものと壁

 金沢大学書道部学外展にご来場いただきまして御礼申し上げます。

 入部してくる学生らを見ますと、まったくの初心者から、多少の経験を持った者までさまざまです。しかし、いずれも遅かれ早かれ”作品らしきもの”を書けるようになります。そして、”らしきもの”から作品といえるものに近づく過程で、必ず第一の壁にぶつかるようです。”らしきもの”で満足し壁に気付かない者、そのうち良くなるだろうとのんびり構える者、壁を乗り越えようと努力するものと、これもさまざまです。本当に自身の作品といえるものを書くためにはいくつもの壁を乗り越える必要があるでしょうし、一生の仕事かも知れません。しかし、何事にも、壁に気付かず満足することのなきよう、祈っています。

 ご来場の皆様のきびしいご叱正と励ましをお願い申しあげます。