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 手で文字を書くという行為は、ワードプロセッサーの普及などにより、徐々に少なくなっていくのではないか、そして人々は手書き文字が美しく整っている必要性を感じなくなっていくのではないかという危惧がある。しかし一面では、ワープロによって無味乾燥になっていく文字に対し、手書き文字の暖かさや個性がより一層大切にされるのではないかという希望もある。

 「書」という行為・作品は、歴史・人間性・技術・文学性等々が含まれる極めて奥深いものであると思う。たとえワープロの時代であろうとも、いやそういう時代であるからこそ、そのすばらしさを知る人が多くあってほしいと願う。真に「書」のすばらしさを知ってほしいと思う。

 この芸術交歓祭は、まさにその願いに相応しいものであり、そして相集うことでより真に近づくチャンスであってほしいと思う。次の時代を担う皆さんにとって、有意義なものとなりますようお祈りする次第です。

 末筆になりましたが、ご協力いただきました皆々様に顧問として心より御礼申し上げます。