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大人が書くところを見るということ |
Date: 2022-08-31 (Wed) |
私は教育学一般や発達を専門としていないので、少々怪しいかも知れないが、子どもたちの学びの多くは、まねることによっているのではないだろうか。小学校入学前、家庭においては、大人や自分よりも年長の兄弟などの行動・動作を見て、学んでいることが多い可能性がある。
学校教育においては、系統性を持った意図的な学びがなされるわけだが、カリキュラム以外の部分での学びも少ないないと思われる。
その一つに「手書きすること」があるように思う。そのことには、それほど異議はないだろう。教師が黒板に書く姿を見ながらそれをノート等に書き写すこと、すなわち、書字動作と書き上がった結果をみて、自身の動作を行い字形を形成する。その繰り返しによって、手書きする行為を学んでいると考えられる。字体構造が複雑な漢字、微妙な曲線が多い平仮名などを書く必要がある日本語においては、これが重要である可能性がある。
教室における情報機器の普及で、手書きが少なくなったとき、この問題は大丈夫であろうか。もちろん、別項で述べているように、情報機器に手書きするということは十分あり得る。ただし、教師が書いている姿を見る機会が減らないとは言い切れないだろう。こういったことの具体的な調査はおこなわれていないが、調査結果がないことで、エビデンスがないから気にしなくても良いことにはならないだろう。
う〜ん、手つかずの部分ではありますが、気になることの一つである。
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