国語(書写) 授業を通しての感想など


 教員の資格の要素には次の3つがある。

(1)教科内容の知識
(2)教科の指導方法についての知識・技能
(3)人格陶冶
 書写の授業は教科に対する知識・理解を目的に教科内容を教授することに重点が置かれたものではなく、被教育者である児童に書写の知識・理解・技能を如何に獲得させるか、どのように指導すべきかに重点が置かれた授業内容だった。つまり(1)より(2)に重点を置いた授業であったと思う。「如何に指導するか」という授業内容は新鮮な感じを受けた。

 書写の授業は、教師自身が「上手に書く」ことだけに意識が集中し、1時間の授業が「うまく書けるや否や」といった成果が評価となってしまう。それ故に、児童は「ただ書く練習」といった意識はもつが、「学んだ」という意識はもたないのではないかと思う。児童一人一人に即した授業とは、児童一人一人の力量を高めることでもあるが、児童のつまずいている一凶となるものを指摘するがその前提として大切である。つまり、児童の技能の伸びない原因を無意識から意識上に上らせて、知識として取得させることが学ぶことであり、児童一人一人の弱点を指摘することが教師の大切な任務である。

 授業は一般的知識(特定の字の書写のポイント)を理解させ、児童が書く活動を通して、個に応じた知識(自己の一凶について)を取得し、今度は児童自らが自己の弱点克服に努力するという流れは一人一人を大切にするという授業構成だと思う。また、鉛筆の持ち方が姿勢に影響している指摘は言われてみて、気がついた。鉛筆の持ち方という小さな癖が姿勢を歪める一凶になっていることを知って感動した。この発見は児童の日の位置に合わせて気がついたということで、児童の弱点を指摘することと合わせて(3)人格陶冶の面でもいろいろと気づかせてもらった。