日本書道史の時代区分についてどう思いますか? 

2001.09.07

押木秀樹

 

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 私の専門外の日本書道史に関する質問をe-mailでもらいました。実は、学生からも似たような質問を受けたところでした。私はまだ該当する本を読んでいませんので、何ともいえません!! パンフレットのみ見ましたが、、、。

 とりあえず、いただいたe-mailに書いた返事を掲載します。実際に本を読まずに書きますので、まったくの勘違いや嘘かも知れません^^;;; それをご了承いただいた上で、お読みいただけたら幸いです。

  1. 書について抽象化することの難しさ > ある新刊図書のパンフレットを見ていましたら、 おそらく、この新刊図書というのは、石川九楊氏の『日本書史』のことでは ないかとおもいます。刊行されたと聞いて注文しているのですが、まだ手元に 届いておりません。 石川氏の本は何冊か読んでいますが、これまで文章で説明するのが難しかった 部分をよく表現されているなぁ! と思っています。 書は、実体がそこにありますし、生きている人が書くところも、見て、 (深い浅いを別にすれば)感じることは難しくありません。(たとえば音声言 語の研究などはとらえどころがなくて難しいと思うのに比べて、、です。) しかし、それを抽象化して表現するのは極めて難しいと思います。 私は、数値や分析可能なパターンに置き換えて抽象化するなどの手法も とりますが、文章に置き換えて抽象化するのはとても難しいことだと 思うのです。 もちろん、石川氏の述べていることと、私の考えとで異なる部分もあります。 しかし、それは視点や抽象化の手法が異なるために生ずることが多いのでは ないかと思います。さらに、私は書や書法史・書道史の専門家ではありません から、考察不足も多々あろうかと思います。
  2. 時代区分の意味 > 東大名誉教授の方が、 > 日本書道史を、中国時代・疑似中国時代・日本時代と分けるのは > これまでにない時代区分だと書いていました。これまでの日本書道史の > 本も似たようなとらえ方をしているように思うのですが、どう思われますか。 本を読んでいないので、何ともいえないのですが、、。 似た考えということであれば、これまでもあったといって良いだろうと 思います。 帰化人の書と思われる時代・日本人による直輸入の時代・和様化の時代 といった区分に、「朝鮮半島経由」・「中国から直接」などの視点が加わって くるものが多かったかも知れません。 ただ、歴史についての時代区分は、必然性のある視点が設定されていて、 必然性のある区分であることが重要だと思います。パンフレットの紹介文の 中には、「新しい時代区分の提唱はきわめて説得力に富み」とありますので、 そのあたりを読んでみないと、わからないのです! 東洋史の時代区分ということについては、学生時代に宮崎市定『中国史』 を読んで、これが歴史を書くということか!、、と感じたことを思い出し ます。学生時代に、中国書道史の本を読む前に、これを読んでおくと良いと 先輩から薦められた本ですが、読んでおいて良かったと思っています。 時代区分について、その必然性から説明されています。
  3. 手書き文字を考えるための視点の一つとして > 先生は、日本書道史をどのようにわけて考えるべきだと思いますか。 何を語るかによって、区分は異なるはずです。ですから、私にとっても、 何を説明するかによって、区分は違うだろうと思います。これまで私は 書の研究を専門にしていませんし、これまであまり必要がなかったので、 これというものを考えていません。 ただ、一般に手で書くということを説明するためには、次のような視点を 持っておくと良いかなと思っています。

以上、実際に本も読まずに書いたことですので、どうかそのようにご理解 いただきたく、お願いいたします。


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