香川県小学校教育研究会書写部夏期研修会講演 資料
2000年7月28日
新学習指導要領と書写の基礎基本

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 この表は、文字の実態について、大学生百人を対象に調べたものです。

 まず、口型に接する文字24字種について調べ、日型の多かった5字種と、口型の多かった5字種とを抜粋したものです。口という字では、40%を超える学生が、日型で書いています。一方、訳という字の、尺の部分の接し方については、9%しかいません。これは何を示しているでしょう。
 尺や葉などの、細かいいう部分については、書きやすい書き方をし、口という字・部分形については、明朝体の特徴を使っているということが見てとれます。すなわち、中学校における行書学習ということを抜きにしても、私たちは自然に書きやすい書き方をしているのです。本来であれば、口という字についても、同様にすれば書きやすいはずなのに、その知識はいないようです。

 一方、本来日型に接する文字について調べたのが右の表です。一番上の「直」という字と、一番下の「西」という字とでは、25%ほどの差があります。いずれも日型に接するべき字ですが、なぜ差がでるのでしょうか。この表を見ると、下に行くほど、字形が扁平だということがわかります。
 「口」は扁平であり、「日」「目」などは縦長です。おそらく、この差は、無意識に接し方の違いを縦横の比率から学習してしまったのではないでしょうか。本来は、もちろんそうではなく、途中に点画が含まれるが含まれないかの差であり、書きやすく書くための差のはずなのです。

 学校教育のいずれかの段階において、知識として、多くの文字に応用がきく学習内容として、捉えさせてあげたい内容です。
 もし一字一字学習しているのだとすれば、全体とのしての規則性の理解部分の学習をする必要があり、一字一字の学習と全体としての理解学習との繰り返しが必要だと思われます。その繰り返しにより、忘れてしまうことなく、役立つ知識になると信じています。

 最初に、子どもたちの実態また大人の実態を踏まえた書写指導ということをお話ししましたが、私どもの立場からは、小中学校における書写指導の成果としての大学生の文字を見ることによって、そこを考えております。